聞き上手の話

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 話すことに関しては達者だと自負する二人。

 いつもわれもわれもと喋るので、口論が絶えない。二人は猛省して、『聞き上手』に関する本を読んだ。皮肉なことに同じ書物だった。

 後日、精読した二人が再会した。

 お互い睨みあって一言も発しない。

 延々と時間が過ぎ、日が暮れた。それでも二人は口を開けようとしなかった。

 二人が読んだ本にはこう書いてあった。

 「相手を尊重して、先に喋ってもらうこと。それが聞き上手の第一歩だ」

 ☆ ☆ ☆

 聞き上手というのは、質問上手であり、傾聴力にすぐれているということ。寡黙だけれど聞き上手という人にはあまり出会ったことがない。

 「議論は知識のやりとり、口論は無知のやりとり」。これは、あるアメリカ人コメディアンのことばだ。以前の二人は無知のくせに喋るから口論になっていたのだろう。無知のまま聞き上手に変身することなどできない。知識をバックボーンにして少々のユーモアで味付けすれば、口論は議論へと止揚する。

 人間誰しもわがままに自分に酔う。この習性をよく理解すれば、マーケティングセオリーにも応用がきく。

 顧客はエゴイストである。

 顧客はナルシストである。 

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プロフィール

岡野勝志(おかのかつし)
1951年大阪生まれ

企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長
企画アイディエーター
岡野塾主宰

ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。
マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人材の課題に対して、「即答即決アイディエーティング」をおこなっている。

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