週刊イタリア紀行No.4 「シエナ(1) トスカーナに独座する街」

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 諸説いろいろあるだろうが、ぼくの読んだある本には「ヴェネツィアのサンマルコ広場、バチカンのサンピエトロ広場、シエナのカンポ広場がイタリアを代表する三大広場」と書かれてあった。ここにフィレンツェのミケランジェロ広場も付け足しておきたい。広場そのものはたいしたことはないけれど、街並みを美しく見せてくれる点ではピカ一かもしれない。

 そして、当たり前のことだが、今回紹介するシエナを取り上げた観光ガイドや紀行文や歴史・文化の本はことごとく「シエナのカンポ広場がイタリア一、いや世界一美しい広場である」と絶賛する。美しさというものは、表現するにしても感知するにしても主観的だから、目を見張る美しさ、理性的な美しさ、しっとりした美しさなど、どんな美しさであってもよい。ぼくのカンポ広場に感じる美しさは「比類のない」という意味になるだろうか。

 二度シエナを訪れているが、初めて行った2003年はデジカメではなく、しかもモノクロのフィルムで光景を収めた。それはそれで間違いではなかったが、なんだかドキュメンタリーな空気を醸し出しすぎていて、シエナの夢想的な空間や上品な街並みが欠けてしまった。フィレンツェに約10日間滞在した2007年3月に再訪して撮ったのが今回の写真である。

 食とワインと言えばトスカーナ。トスカーナと言えばフィレンツェ。そのフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅そばのバスターミナルから南へ約1時間、城壁に囲まれた丘にシエナがある。ここは2キロメートル四方のこじんまりした街だ。他のイタリアの都市同様、ここにも目を見張るドゥオーモ(大聖堂)がある。ゴシック建築と床に張り巡らされたモザイクが有名だ。

 しかし、シエナを取り上げるのはドゥオーモのためではない。やはりカンポ広場なのだ。そして、そのカンポ広場に聳え立つマンジャの塔からの景観である。そのパノラマ図は次回の楽しみに取っておき、今回はひとりトスカーナの丘に佇む超然としたシエナの第一幕を眺めていただきたい。

☆ ☆ ☆

Toscana1 272.jpg

Toscana1 273.jpgToscana1 275.jpg〔左〕700年の歴史をもつシエナの通り。

〔中央〕昔の習俗を甦らせれば、あっという間に中世へとタイムスリップしてしまう雰囲気がある。

〔右〕通りを遊歩していると、シエナの象徴に出くわす。ローマの建国にまつわる双子の赤ん坊に狼が乳を与えている像だ。 

Toscana1 280.jpg〔左〕ヴィーコロという薄暗い小さな街路の一つに入ると光の空間が借景のように姿を現わす。くぐり抜けるとカンポ広場だ(ソフトな赤茶色の建物が市庁舎)。  Toscana1 286.jpg

〔左〕市庁舎に隣接するマンジャの塔。この塔の狭くて急な階段は身体にこたえる。しかし、400段上り詰めればご褒美が。シエナの街の造形とトスカーナ地方の特徴的な山間農村の遠景がパノラマのように見渡せる。Toscana1 287.jpgのサムネール画像

Toscana1 317.jpg〔上〕塔の前から振り返って見るカンポ広場。ゆるやかな傾斜が不思議な広がり漂わせる。

〔右上〕マンジャの塔の中ほどまで上ったところから見下ろしたカンポ広場。水色に見えているのがガイアの泉。シエナは治水技術にもすぐれた都市だった。この広場に砂を敷き詰め17地区が対抗して毎年7月と8月に競馬(パリオ)が開かれる。

P1020362.JPG

 〔左〕絵葉書。シエナの17地区はコントラーダと呼ばれ、すべての地区が動物を意匠した美しいシンボルマークを有している。

(上段左から)鷲、芋虫、かたつむり、フクロウ、竜。

(二段目左から)麒麟、ヤマアラシ、一角獣、雌狼、貝殻。

(三段目左から)ガチョウ、イルカ(波)、豹、サイ(森)、亀。

(下段左)象(塔)。(下段右)牡羊。

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プロフィール

岡野勝志(おかのかつし)
1951年大阪生まれ

企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長
企画アイディエーター
岡野塾主宰

ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。
マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人材の課題に対して、「即答即決アイディエーティング」をおこなっている。

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