サン・ピエトロ教会からホテルに戻りチェックアウトの手続きを済ませる。荷物を預けたまま、今度は街の北へと向かう。通り道だから必然目に入ってくるものの、11月4日広場と大聖堂を見納めする。北側への道は、この広場からはおおむね下り坂になる。坂道は何本もあるが、どの道を通ってもアウグストゥスの門に辿り着ける。
ローマ時代以前に12のエトルリア都市が繁栄していて、ペルージャはその一つだった。すでに取り上げたアレッツォやオルヴィエートなども古代エトルリアの面影を残す街である。それらの街を探訪したのも、このペルージャ滞在がきっかけになっている。キーワードは「エトルリア」だった。当時は、ただローマ時代より古い時代ということだけでわくわくしていた。
エトルリア時代の巨大な門である「アウグストゥス門」に対峙する。そこをくぐると時代を古代まで遡っていくのではないかと半分本気で思ってしまう。わざわざタイムトンネルなど発明しなくても、やみくもに「現代の手」を加えなければ、日常的にぼくたちは過去と現在を行き来することができるのだ。
建造物の壁や門は、本来外界と内部を仕切る「クールな機能」を持つはずだ。けれども、直線だけで構築するのではなく、そこにアーチ状曲線の意匠をこらすだけでまろやかになる。住民や旅人にとって親しみやすく、しっくりとなじめる存在になる。そこかしこに見られたアーチはぼくの記憶によく残っている。
もう一つの「曲線の思い出」は大好物のピザである。このピザを食べるために、前日は外食しなかった。窯で焼くこと、ほんの1、2分だろう。一気に焼いて、さっと生野菜を散りばめて「はい、お待ち!」まで注文してから3分ほどだったと思う。これは記憶に残る絶品であった。どのくらい絶品かを表現するのは困難である。敢えて言い表すなら、「もしローマやフィレンツェに行く機会があれば、このピザを目当てにペルージャに立ち寄ってもいい」と思うくらいのうまさである。 《ペルージャ完》
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(左上)11月4日広場の大聖堂。(中央上・右)坂の多い丘の上の街だけに建物の高さも不揃い。起伏の凹凸が何となく靴底から伝わってくるような街並みだ。(左3点)門や渡り廊下などアーチの形状があちこちに目立つ。
(左)起源を前4世紀まで遡るエトルリア時代のアウグストゥス門。車と比較すれば、その圧巻ぶりがわかる。(右)フォルテブラッチョ広場に面するペルージャ外国人大学本部の建物。
(上)ぼんやりしていると通り過ぎてしまうほど目立たないが、ランチを目当てにしていた"Mediterraneo"(地中海)という名のピザ自慢の店。(左)店名と同じ定番のピザを注文。ユーロのレートを正確には覚えていないが、日本円で600円くらいだったような気がする。本場ナポリでも何枚か食べたが、それを凌ぐうまさ。現在までぼくのNo.1である。
(左)街角の菓子店。ペルージャはBaciというチョコレートが有名。お土産にいくらか買った。(中央)Salumeriaとはハム・チーズなどの食料品店。(右)雑貨屋のディスプレイ。月曜日から日曜日まで曜日の入ったテーブルナプキンを買う。




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