週刊イタリア紀行No.40 「ボローニャ(2) 広場、斜塔、街並み」

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 「やみくもに走り抜いて成長や発展へと向かわなくても、再生や改造を通じて街は豊かに安定できるはず」―これが、ボローニャ方式が挑んだ命題であり、世界の先進都市に一つの理想モデルを示すことになった。職人企業連合をはじめ、ぼくの生半可な知識でも書き尽くせないほどの創意工夫がこの街にはある。

 ポルティコのある景観だけでも生活の快適性につながっているのは間違いない。だが、特筆すべきは、市民が利用できる文化芸術関連の公共施設だ。人口40万人の都市とは思えぬほどの圧倒的な質と数を誇る。美術館・博物館37、映画館50、劇場41、図書館73という数字だけを見ても、わが国の人口百万都市でさえボローニャの足元にまったく及ばない。

 ぼくは日本全国でさまざまなテーマを掲げて話をさせてもらっている。行政を対象にした政策形成やまちづくりの研修機会も増えてきた。決して事例主義者ではないのだが、指導させていただく手前、街づくりについてそれなりの勉強もし知識も更新する。

 ただ、ここ十年ほど注目を浴びてきた「創造都市」、とりわけ"クリエーティブ"という用語の、度を過ぎた一人歩きが気になっている。何でもかんでもクリエーティブという集団シュプレヒコールは、創意工夫からもっとも縁遠いものではないか。名立たる世界の都市が道を誤り軌道修正に悶々としているのに対して、ボローニャが本来あるべき街づくりに目覚め、常軌を逸しないように努めている―このことが創造的なのだとぼくは考えている。

 ほんの3、4日滞在しただけの一観光客ではあるが、生意気を言わせてもらうならば、「歩きやすい街は生活しやすい街」というのは真理だ。ボローニャは歩きやすい。入り組んでいても迷わない。ネットゥーノ広場前のネプチューンの噴水からマッジョーレ通りを東へほんの300メートル行くと、二本の斜塔が立つポルタ・ラヴェニャーナ広場に達する。この通りがゴシック建築といい風情といい、歴史を漂わせる。宿泊したホテルが斜塔の裏手だったこともあり、何度も行ったり来たりのそぞろ歩きを繰り返した。

☆ ☆ ☆

Bol (2).JPG Bol (68).JPG(左)マッジョーレ広場の入口にはネプチューンの大噴水。(右)ポデスタ館前にはカフェ。

 

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(左)重厚感漂う市庁舎(コムナーレ宮)。(中央)市庁舎の中庭。建物にはボローニャ出身の画家モランディの作品を集めたモランディ美術館が併設されている。(右)広場で憩う人たちが絶えない。

 

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(左から)ネットゥーノ広場側から見るボローニャの斜塔、高さ97メートルのアシネッリの塔。ピサの斜塔のように傾いている。 ☆アシネッリの塔の隣りが、やや背の低いガリセンダの塔。傾き度が大きくて危険なため上れない。 ☆ホテルの窓から見る斜塔の借景。 ☆アシネッリの塔の最上階までは498段の階段がある。上り下りすれば軋(きし)む古い木製。木は相当擦り減っており、勾配は急なしつらえだし、人が一人やっと通れる狭さだ。高所恐怖症ならずとも足は必ずすくむ。

Bol (62).JPG Bol (47).JPG Bol (51).JPG Bol (64).JPG斜塔からは、街のパノラマはもちろん、眼下に街並みを見渡せる。

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プロフィール

岡野勝志(おかのかつし)
1951年大阪生まれ

企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長
企画アイディエーター
岡野塾主宰

ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。
マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人材の課題に対して、「即答即決アイディエーティング」をおこなっている。

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