ドビュッシーとパリ近郊の街

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 一昨日のことである。ふと旋律が浮かんだ。ドビュッシーの『夢』。題名を知らなくても、誰もが一度や二度は耳にしたことのあるメロディだ。ドビュッシーには、他によく知られた作品として『月の光』や『アラベスク』がある。テレビドラマの挿入歌としても使われていたらしい。たしかに、クラシック音楽としてはイージーリスニング系に属すのだろう。肩の凝らない小曲だからBGMにも向いている。

 二年近く前のバージョンのiPodも持っているのだけれど、ほとんど使っていない。最近はあまり音楽を聴かないし、聴くときは気まぐれに取り出したCDをかけている。ジャンル分けもせずに適当に収納しているCDがおよそ600枚。本は買って一度も読んでいないのが5冊に一冊くらいあるが、CDは買った直後に聴く。どんなにハズレのCDでも一度は聴いているので、縁あってもう一度聴けばだいたい旋律を覚えている。読書に比べたら聴覚記憶はだいぶよさそうな気がする。

 たしかあったはずのドビュッシーのCDがどこにも見当たらない。この場所以外にまぎれこむ可能性などない。もしかしてオムニバス編集のうちの数曲だったのだろうか。いや、そんなことはない・・・・・・。やがて思い出し、ひとつの確信を得た。中学高校時代に買い集めたレコードのうちの一枚だったのだ。中学二年生のときに、クラシック音楽好きの友人に誘われて《コンサートホール》なる頒布会に入会し、数年間で数十枚ほどLPを買い漁った。コレクションはすでにとうの昔に処分してしまった。

☆ ☆ ☆

 昨年3月1日、土曜日。パリ11区はサンタンブロワーズ(St-Ambroise)のアパートを午前10時に出て地下鉄経由でリヨン駅(Gare de Lyon)へ向かった。そこで高速郊外鉄道(RER)に乗り換えて一路西北西へ。わずか半時間ほどのうちにパリ郊外のサン・ジェルマン・アン・レー(St-Germain-en-Laye)に到着した。あのルイ14世ゆかりの垢抜けた近郊の街。セーヌ川が流れている。

 ドビュッシーも1862年ここに生まれ、パリ音楽院に入学する10歳までここで育った。駅から教会に向かって歩いてすぐのところにドビュッシーの像がある。小ぢんまりとした街中の通りを歩いてみた。色合いも佇まいもセンスのいい街だ。小さな避暑地のような観光風情もある。通りを隔てたすぐそばに城があり、現在は国立考古学博物館に転用されている。店頭で売られていた小さなパンを口に運び、カフェに寄って濃厚な一杯を楽しむ。

 ドビュッシーの旋律から一年半前のパリ近郊の街へタイムスリップしてしまった。

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(左から)教会、ドビュッシーの銅像、街角、お店の看板。

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考古学博物館の外観(左)と中庭からの景観。

P1010719.JPGRER線を走る列車。フランス国旗のトリコロールをモチーフにしたデザイン。  

 

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プロフィール

岡野勝志(おかのかつし)
1951年大阪生まれ

企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長
企画アイディエーター
岡野塾主宰

ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。
マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人材の課題に対して、「即答即決アイディエーティング」をおこなっている。

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