“Savilna”は「錆びるな!」のもじり。本を読み書評にまとめて発表するメンバーズ会読会。ゲスト参加歓迎。書評を聞けば2時間で10冊読んだ気になれます。年6~8回開催。
会読会ではもっといろんな試みができるはず
書評というのは奥深いものです。いや、単純なものです、と言ってもいいかもしれません。芸術評でもそうですが、評というのはパーソナルなものであっていい、と思います。書評に「しかるべき基準」があったら、感想も縛られることになる。これは読書の愉しみをほとんど奪うことにほかなりません。
新刊書の書評と古い本の書評は違います。新刊書の場合は、一般の読者に先駆けて読み、それを要約するなり批評するなり、未来の読者のための何がしかの道標の役割を担います。ぼくたちが集まっている会読会でも新刊書が紹介されることはありますが、書評者は推薦しているわけではありません。「こんな本を読んでみました。こんな内容でした。こんなことを感じました。以上」です。刺激を受けて、同じ本を読むか、もう君の書評で十分と判断するかは、聞き手次第です。
雛祭りの今夜も十人ほどが集まります。発表は七人。ぼくの取り上げた本は新刊書ではありません。ぼくはめったに新刊書を紹介しません。ポリシー? いやいや、自己都合です。その昔いい加減に読んだ本を再読していて、メンバーが絶対に読まないだろう、それゆえぼくの書評に少しでも意味があるだろうと判断する本を選びます。ただそれだけです。今夜の本は初出が15年前なので、かなり古い本の部類に入ります。
もっと時間があれば、書評に対する相互批評もしてみたいですし、同じ本を読んできて、感想のズレを議論してみるのもおもしろいでしょう。一回の発表を三冊に限定して、一冊ずつ順番に著者斬りをするような日があってもいいかもしれない。
このブログ欄で、過去にぼくたちが取り上げてきた本を順を追って紹介することにします。丸二年の成果はまずまずです。また、本人の了解さえ得られれば、書評も公開するつもりです(メンバーのMさんは自分の書評を自分のブログで紹介しています)。公開ということになると、読み方も変わるでしょうし、書きまとめにも気合が入るでしょう。毎回最優秀書評を決定しているので、自動的に公表してもいいかもしれません。 《岡野勝志》
Savilna会読会への投稿・寄稿を歓迎します。contact@proconcept.co.jp