スピーチ上手のヒント(下)
スピーチ上達の続き。今日は残る5つのヒントをお話しします。
数分のスピーチなら、芝居がかった自己陶酔トークでも十分にしのげます。実際、このようなトークの延長で一時間かそこらの講演をしている著名人もいます。テンションの高い熱弁で時間をもたせる人も稀にいますが、だいたい一時間ほど聴いていると退屈してしまいます。
ぼくは講演よりも先に丸一日や二日間にわたって人前で話す研修から入りました。長丁場なので、自己陶酔していては場がもたないし、いかにも弁論というスピーチでは飽きられてしまいます。必然、できるかぎり自然流で、自分の持ち味が生かせるような対話トーンを基調としてきました。要するに、「話す」から「ふつうに会話する」へのシフトです。
時間の短いスピーチでもこれでいいと思います。歌舞伎調や時代劇調の、「かつての弁論」の時代は終わっています。スピーチは、どんなTPOであれ、カジュアルトークでいいし、それでなければ納得も共感もありえないでしょう。