《マジカルコミュニケーション》というテーマで話をします。マジカルだからと言って、別に魔法をかけるわけではありません。このテーマを選んだのは、マジカルとよく似たことばの濫用にうんざりしていたからです。それは「ロジカル」ということばです。
実を言うと、ぼく自身が「ロジカルコミュニケーション」を指導しているのです。だから少々自己批判になるのだけれど、それを承知の上で言います。ここ数年、「ロジカル何とか」が軽はずみに過熱しているんじゃないか。「ロジカル」と発するだけで何だか賢くなったような錯覚を起こしている人が大勢いる。反省も込めて、ロジカル過剰に対して、思い切り「マジカル」という対極に立ってみようと思うのです。
動機は「マジで軽い」、だからマジカル。というのは冗談ですが、マジカルコミュニケーションのマジカルをとりあえず「魅力的な」ととらえておいてください。話しているうちに、「効果的な」とか「仕掛けのある」とか「手さばきのいい」とかに意味も変わっていくと思います。では、あまりにも使い古された「コミュニケーション」ということばの意味も明らかにしておきましょう。