マジカルコミュニケーションの最後に控えるのはトーク、話すことです。
▼ 「巧みな話術」と「話が伝わること」は別
音声を発するという意味での喋ることなら誰でもできます。縁日で輪投げをしたり鉄砲で的当てしたりすることくらい誰でもできるのと同じ。下手な輪投げをしていてもコルク玉をでたらめに打っていても、いつかは景品をゲットできるかもしれません。しかし、コミュニケーションでは「いつかは当たる」では話になりません。意味を伝えねばならないコミュニケーションでは、十中八九的を射止めなければならないのです。
相手のことなどおかまいなく喋る人がいます。しかも、そんな人を「巧みな話術の持ち主」などと持ち上げていた時代があります。「あの人は口達者で立て板に水のごとしだ」などと褒める。しかし、そんな話術は何の自慢にもなりません。話しぶりは少々たどたどしくても、きっちりとメッセージを伝えきるほうがいい。聴き手は、たとえ一方通行のコミュニケーションであっても、自分に話が伝わってくれば、そこに強い「双方向性」を感じるものです。