▼ 雑学は専門知識を否定しない
知識は仲間の知識を手招きします。知識はいくらでも同一ジャンルの他の知識と結びつき、雪だるま式に膨れていきます。まさしく「類は友を呼ぶ」のです。
こういうふうにして専門特化が可能になります。専門バカということばがありますが、専門性そのものに汚点などありません。専門性の高い人間、つまりスペシャリストが己の専門分野がすべてと確信することに落とし穴が潜んでいるのです。だから専門バカになってしまう。
▼ 専門バカにならないために
たしかに知識は雪だるまのように膨れていきます。しかし、それはあくまでも足し算にすぎません。知が「掛け算」の効果を発揮するためには、異種間融合が不可欠なのです。その基礎になってくれるのが、ジャンルを問わない、未整理のレアな知識だと思います。
専門分野に強いということは、裏返せば、そのアンテナに入ってくる情報しかキャッチできないということでもあります。しかし、雑学のアンテナをいつも張っていれば、少々門外の知識であっても受信できるし、だいたいの見当がついてくるものです。専門家が専門バカになるのは、一見して関係なさそうな知識に門戸を閉ざしてしまうからなのです。