コンセプトに続いては「リーディング」を取り上げます。
リーディング、ふつうは「読書」という意味です。ここでも本を読むという前提で話を進めますが、必ずしも読書に限定しているわけでもないのです。どちらかと言うと、「読み取る、汲む、解釈する、見抜く」などのように、対象を書物だけではなく、広くメッセージや状況・場面を読むという意味で使います。そのほうが、コミュニケーションにふさわしいと思うからです。
ラテン語の"legere"には「読む」という系譜もあるけれども、書物が少なく希少だった時代に一般庶民が読書に親しんだはずがありません。だから主たる意味は、人の話を集める、摘み取る、収める、受ける、つかむなどのほうだったと思われます。文字を目で追う作業というよりも、見聞きする話や光景を刈り取っているという感じです。